新田主任は私に優しい。
仕事に関しては厳しいし、不倫するような男だけど、優しい。
3年前の入社当時、私はまだ人に優しくしてもらえることに慣れておらず、整形前につけられた傷も癒えていなかった。
だから憧れの新田主任からの優しさは、とても身に沁みた。
だけど6年経って私は変わった。
美しい者が無条件で受けられる優しさに慣れ、当たり前になった。
次第に優しさに対するハードルが上がり、自分に対する優しさの意図がだんだんわかるようになってきた。
主任が私に向ける優しさは、新人小柳の教育と似ている。
一人前ではない小柳が大きなミスを犯したり、途中で仕事を投げ出したりしないよう、コントロールするために気遣っている振りをする。
つまり彼の優しさは、弱みを握る私が腹を立て、彼の秘密について口を滑らせたり、思わせぶりな態度を取ったりしないよう、都合よくコントロールするための演出なのだ。



