だってつる子、ブスじゃん。
だってつる子、ブスじゃん。
だってつる子、ブスじゃん。
弦川という名字から、当時私は「つる子」というあだ名で呼ばれていた。
当時クラスで「可愛い」と評判の女子が私を嘲るために付けた、ダサいあだ名だ。
己が決して美人ではないことくらい、自分でもわかっていた。
でも、そこまで忌み嫌われるほどブスだったのだろうか。
クラスの中心人物とも言える山村が堂々と口に出したことで、周囲の男子たちもそれに賛同した。
それ以来、私はずっとブスだブスだと言われ続けた。
開き直って図太く笑い飛ばすこともできたかもしれないが、私にはできなかった。
「大人になったら絶対に整形する」
そう決意したのは中学に入った頃。
実際に整形したのは大学時代である。
受けたのは歯列矯正とまぶたの二重術。
メジャーでシンプルな二つだが、私はそれまでの自分とは比べ物にならないくらい美しくなった。
それでも、ブスだと言われ続けて植えつけられた劣等感は、私の心に今でも重く居座って私を苛む。
それを楽にしてくれるのが、美人であることを利用して得られる優越感なのである。



