青い空、白い雲。
生き生きとした木々と草。
噴水の音。
子供たちの笑い声。
キラキラした景色にそぐわない、下世話な与太話。
いつもなら私なんかよりよっぽど面白い話がたくさん聞けるのだけど、今日はあかりからは話題が出ない。
わかっている。
あかりはもう、これまで関わってきたたくさんの男たちのことなど頭にはなく、ただ一人、婚約者のことばかりを考えているのだ。
「ねぇ、あかり」
「ん?」
「結婚、本当にやめちゃうの?」
私はそう尋ねて、サンドイッチを頬張った。
咀嚼している間、私は口を開けない。
あかりが話すしかない、という状況を作りたかった。
あかりは口に入れようと持ち上げていたサンドイッチを、膝に下ろした。
「たぶん、やめる」
断言しない。
まだ決心したというほどではないということだと思う。
「結婚式はいいの? ウェディングドレスが着られるって喜んでたじゃん」
あかりの口角が急激に下がり、唇が固く結ばれた。
サングラスをかけているけれど、あかりの表情がガチガチに固まっているのが、私にはわかる。
どうやら核心に触れたようだ。
「結婚式のことで、何かあったのね?」
あかりはゆっくりと、頭を縦に振った。



