都会でも私は美人に属するのだと舞い上がった私は、女性が教えてくれた会場へと足を運んだ。
場所は、港区の住宅地にあるおしゃれなレストラン。
入り口には「本日ランチタイム貸切」の看板が出ていて、オープンテラスから女性で賑わっている音が惜しげもなく漏れ出ていた。
私は正面から堂々と入る勇気がなくて、いったんテラスの方から中を覗いてみた。
中にいるのは、誰も彼もが洗練された美女。
顔立ちも、着ているものも、髪型も、すべて美しいと賞賛されるにふさわしく、驚くべきことに、彼女たちは総じて美しいことが当たり前のように自然体なのだ。
本物の美女とは、美しく生まれ、美しく育ち、美しく咲き誇ってこそ育まれ、そのように育った生粋の美女には、まるで毒が感じられない。
私を誘った女性も、自らを美人であると口に出しながら少しも嫌味に感じなかった。
しかし私はしょせん、人生のほとんどをブスとして生きてきた、紛い物の美女である。
私は入口へと足を進めることはできなかった。
彼女たちのキラキラしたオーラが、私のどす黒い過去を跳ね返したのだ。
私は中にいる美女たちのように、心まで美しくはなれない。



