ため息をつきながら、リードをみかんに付けてあげる私。




『お母さん、みかんの散歩行ってくるね…』




『はいはい。ゆっくり行ってきて』



素っ気なくテレビを見ながら答えるお母さんにもため息がこぼれた。



―――



『あっつい〜』


まだ、お昼前だと言うのになんて暑さだ。



平気な顔でどんどん進むみかんが信じられない。



…毛皮暑くないの?



『みかん〜、どこ行くの〜?』




大抵、散歩の時は、みかんに自由にさせる私。




これじゃ、まるで、私が散歩させられてるみたいだよ…。