『あっ、もしもし、美夏ちゃん??ごめんな、亜美の説明意味わからんやったろ?』



電話口にヒロが出た。





『あ、ううん、大丈夫だよ?で、海がどうしたの?』



声が上ずりそうになるのを、なんとかおさえて平静を装う私。



そんな私にちっとも気付かないヒロは、とても楽しそうに…。



『あんな、明日、オレの友達の親が経営してる海の家があるんやけど…美夏ちゃんも一緒に行かへん??ここからすぐ近くなんやけど…どない?』




なるほど、そういう事か…。




『うん…行けるけど…私までいいのかな…?』


さすがに、ヒロの友達にも迷惑なんじゃ…?



おそるおそる、そう聞いた私にヒロは、意味がわからないといったように声をあげた。



『なんでそんなこと思ってんのや?いいに決まってるやろ??オレの友達もさっき、電話したら快くOKしてくれたで。だから、美夏ちゃんは、気にせんでええよ?』





…ヒロは、もしかしたらエスパーかもしれない。私が気にして遠慮していることなんてお見通しのようだ。






『うん、ありがとう。じゃあ、行こうかな…?』



『よっしゃ。亜美も喜ぶで。ほな、また明日な。9時に駄菓子屋集合な!!』



嬉しそうにそう言い残すと、ヒロは、電話を切った。