*海の家



―――


あの夏祭りからしばらくたった。


夏休みも半分くらい過ぎた時、久しぶりに麻弥さんから電話がきたのだ。



夏休みの課題をしていた手をいったん止めた私は、麻弥さんからの電話に出る。




『あっ、もしもし?麻弥さんですか…?』




『あ〜美夏お姉ちゃん!亜美だよ〜?』



通話口から亜美ちゃんの元気な声が響いた。



『亜美ちゃん!?久しぶり〜。風邪は、もう大丈夫なの?』



『うん!』



元気そうな亜美ちゃんの声。




『そっか〜。よかった。じゃあ、久しぶりに遊びに行こうかな…』


私がそう言うと、亜美ちゃんは、嬉しそうに声をあげた。



『!!うん、…あ、そうだった。美夏お姉ちゃん、明日から海行くよ!?』



うん…?



『海だよ〜』



テンションが高い亜美ちゃん。



海…?



『バカッ!そんな説明じゃ、わからへんやろ?亜美、ちょい、かせ。』



亜美ちゃんの背後からヒロの声が聞こえてきた。





ドキンッ




その声を聞いた途端…


なぜか…胸が高鳴るのを感じた。