*終業式


どうしてこんなに暇なのかというと…時は少し前に遡る。



―――



『…え?今なんて…??』



『だから!別れよって!!はっきり言ってお前といても話つまんないし…楽しくないんだよね?…てことでばいばい。』



あっけらかんとそう言い放った利也。



……ありえない…



私、如月美夏。今日、付き合って半年になる彼氏、利也にフラレました。





明日から夏休みだっていうのに…このタイミング…わざととしか思えない。




軽く利也に殺意がわいた。






―――――




しかも、最悪なことに教室に戻ると既にその話題で持ちきりだった。


言い触らしたのはきっと…利也だろう。






『美夏〜!?利也くんと別れたってマジ??』



『明日から夏休みだよ?』




私が教室に入った瞬間、友達の麻美と佳代子が近づいてきた。




『うん。もう、いいの。あんなやつ。大して好きじゃなかったし!夏休み暇になっちゃったからたくさん遊ぼう!』




そう言った私に麻美が気まずそうに視線をそらした。



『…あのね…美夏…言いにくいんだけど……私この夏は、彼氏と旅行、行くことにしてて』




『あ〜そうなんだ…じゃあ、しかたないね…佳代子は、あそべる?』



『え〜っと、私も彼氏と…』




てへっと、可愛らしく笑う佳代子。