綺麗、綺麗と連呼されても返答に困る。 お世辞なのは良く分かっている。 けれど、やっぱり嬉しい。 照れながらも自然と笑みが零れる。 「杏花さん、時間が無いわ。参りましょう!!」 「はいっ!!」 介添えさんに手を貸してもらい、 小夜さん達と共に部屋を後にした。 車は渋滞に巻き込まれること無く、 スムーズに目的地へと向かう。 小夜さんは携帯で沢田さんと何やら話している。 私は流れる景色を眺め、気を落ち着かせていた。