「皆、申し訳ない。急な用事が入り、会議はこれまでとする。今年一年、皆良く頑張ってくれた…感謝する。来年もまた宜しく頼む。すまぬが、急用ゆえ私は先に失礼する。……良い年を…」


俺は早口で挨拶をした。


俺の形相に気付いた社員たちが、

一斉に席を立ち、会釈し始めた。


俺は軽く会釈しながら、急いで部屋を後にした。


「社長、お車を回してあります」

「あぁ」


俺と沢田は地下駐車場でなく、

エントランス前にある車に乗り込んだ。


沢田はすぐさま車を発進させた。


そして、

俺は声を荒げて、

運転中の沢田に事情を訊ねた。