13時過ぎに沢田が戻って来た。 「社長、ご安心を。ご結婚もご懐妊のご様子も無いようです」 「ホントか?」 「はい。ドレスの件も流れたようで、今はお仕事に集中されているとの事」 「なら、何で呼ばれたんだ?」 「………わかりません」 俺も沢田も首を傾げるしかなかった。 会長への手土産を買って、15時少し前に一条本宅に到着。 ここ一条家の本宅は、 高級住宅が連なる住宅地の最上階部分にあたる、高台に位置している。 住宅地の周りは緑も多く、見晴らしが良い。