そして、さっきよりも強く抱きしめて来た。 手首を見ると、 男に掴まれた部分が赤くうっ血していた。 要は黙ってギュッと抱きしめたまま。 要の優しさが伝わってくる。 要の鼓動が心地いい。 すると、 要はさらに強く抱きしめて来た。 「要?息苦しいよう……」 「ごめん、もうちょっとこのまま……」 「………うん」 要は切ない声でそう呟いた。 どうしたの?……要? 私は黙って、要に抱きしめられた。 要の優しい温もりを全身で感じて。