しばらくの沈黙。
遠くで野球部の掛け声が聞こえるくらいで、他には物音一つしない。
そんな中響いた、高杉くんの大きな溜め息。
ビクッとして、思わず肩が揺れた。
……やっぱり、ウザかった?
ドクドクと嫌な音がする心臓。
目に溜まった涙が、また一つ零れたその時。
「……別れて」
………あ………。
静かな空間に響いた、冷たく低い声。
もう、駄目だ……。
やっぱり、駄目だったんだ……。
……好かれて、なかったんだ……。
分かってた事なのに、いざ言われるとこんなにも哀しい。
辛い。苦しい。嫌だよ。
そう言ってすがり付きたい。
でも、あたしはもう彼女じゃないから。
そんな事言えない………。
胸が締め付けられて苦しくて、唇をグッと噛んで涙を堪えた。
あたしはフラれたんだ………。