「…あいつ、遅せぇな」

休み時間、教室から校門を眺め、ぼそっと漏らすのは悠だ。


ガラリと教室のドアが開いた。

···アイツだ。

俺は席を立ち、何食わぬ顔で教室を後にした。

新田が俺の数メートル後ろを歩く。


「お前、理佐に連絡したか?」
「そろそろしようと思ってたよ」


新田が言ったことに俺が答える。


本当は口なんてききたくもないが、理佐が気になる。


その時携帯が鳴った。



ディスプレイには“理佐”――――