鈍い音がグラウンドに響いた。



「むっ村上っ大丈夫か!?」
「村上…ごめん…!!!」
「どこか痛むか!?」


クラスメイトと先生が群がる。


「…だ、大丈夫です。気にしないで。」


俺はピッチャーの生徒に気を遣う―――演技をする。

そして軽く左手を抑えて、


「ちょっと…保健室行ってきます…ひとりで平気ですから」