放課後ほとんど生徒が下校した頃だった。


あ、あれ村上くん?


村上くんの後ろ姿を見かけたあたしは興味本位でついていった。


なんかブカツとかやってたっけ?


こっそりと後をつけて着いた先は裏門。
裏門は狭く暗く、人影は皆無に等しい。


裏門になんで…?


そう思って木の影から食い入るようにみていると、


ピリリリリッ


静かな裏門に村上くんの携帯が鳴った。


「はい。…え?ああ」


何やら真剣な面持ちで話をしている。


「あぁ?!んだよ、ソレ。勝手に仕事受けんなよ!」

し、仕事…?

「とりあえず早く迎えにこいよ」


ピッと音がして村上くんが電話を切ったのを確認すると、振り返った村上くんとあたしとの目があってしまった!!


「あ、れ…?」


妙な違和感…

確かに後ろ姿と声は村上くんのような気がしてたけど…

前髪はあげててメガネもしてない。制服もかなり着くずしてる。

本当にこの人、村上くん···?