「…嘘でもキスくらいしてくれていいのに」


伊吹が涙を溜めて笑った。


「ここは日本だからな!」
「なにそれ」


声を出して伊吹は笑う。


「オレにも…お前にも、嘘つきたくない相手がいるだろ」


「……うん。そうだね…」