口と口が触れる直前、澤口彩菜の腕を力強く振り払う。

「いっ…たぁぃ!!」

冷ややかな目で澤口を見下ろす。


「…このわたしをそんな目で見るなんて…あんたの趣味疑うわ!あんななんの取り柄もない・・・きゃあっ?!」



俺は澤口の顔のすぐ横の壁を殴った。


「……ひとつだけ言うこと聞いてやるよ」
「……」


澤口はさすがに怯んだらしい。


「但し、それ以上はこんな脅しも通用しない。覚えとけよ…」