階段を上るとある部屋に通された。


「うわ…ひろっ!!」
「そこじゃねぇ!!」


すかさず突っ込む村上くんを気にも留めずにあたしはその辺に乱雑に落ちている雑誌に目がとまった。


「こ…これ…村上くん!!!??」
「まさか…マジで知らないとは…」


ファッション雑誌にテレビ情報誌の表紙にもなっているそこに写る人物は紛れもなく目の前にいる彼と同一人物。


「ゆ…有名人…?」

「口止めの必要もなかったってことかよ…」


村上くんはベットに腰をかけうなだれた。


「あ、あの…」
「…まぁいいや。とりあえずそういうことだから誰にも言うんじゃねぇぞ」


雑誌を手に取る理佐はあまり聞こえていなかった。


「あぁ!この人…悠《ハルカ》って妹が好きな有名人!!」
「おい…!!人の話をきけ!」


あたしはベッドに引っ張られて態勢を崩してしまった。