大人はいつも、何かを諦めるとき、終わらせるとき、何かしら理由をつけたがる。

区切りをつけたがる。

キリが良いところでとか、丁度良いタイミングだとか言う。

或いは年齢、或いは年数、年の切り替わり、季節の移り変わり。

様々な“都合の良い”区切りを見つけてきては、自分を納得させる。

よくやった。

頑張った。

できる限りの努力はした。

運がなかった。

出会いに恵まれなかった。

後悔はしていない。

済んだことは仕方がない。

クヨクヨするな。

今までのことは全部忘れてしまえ。

もう一度やり直そう。

生まれ変わったつもりで。

新しいスタートだ。

新しい明日のために。

さあ顔を上げろ。

胸を張れ。

未来を思い描こう。


そうやって、過去を汚したままにして、

昨日までをなかったことにして、

それまでの自分を忘れたフリをして、

行ける未来が、いったいどこにあるというのだろう? 

教えて欲しい。