「ぅ……サ、うっ……っ……、ロー……サ、……ぅぅ……っ」


ローサ。


ローサ。


ローサ――。


瞳に焼きついている彼女のすべてを、


心に息衝いている彼女のすべてを、


すべてのローサを零さぬよう掻き集め、


何度も何度も繰り返し彼女の名を呼んだ。


とめどなく溢れ出てくる涙が頬を濡らし、身体を丸め、ローサの手紙を抱きしめながら、僕はただ嗚咽した。




この夜、街は数年ぶりの大雪となった。