目がない眼窩でメンチを切るように、突っかかる骨。喋る度に口を動かすため、ゴミ袋ががさがさ音を立てた。
遺棄されたしゃれこうべが喋るだなんて、洒落になんない頭(こうべ)じゃないかと……また上手くないことを考えながら、渉はとりあえずゴミ袋の結びに手を伸ばした。
初見ならばきゃーと逃げるところだが、この骨については知り合いであり、顔見知り。なぜかいつの間にか『舎弟一号』にされてしまい、何かある度に(どSに遊ばれるが主)匿えと、渉にすがってくることが最近多くなってきた気がする。
「溝出(みぞいだし)さん、なんでまた、ゴミ袋に……」
人骨――溝出と名前があるが、きちんとこの骨の名前を呼ぶのは渉ぐらいなものだろう。


