「あぁ、一服…味わってくれるだけでいい。」 「………では……。」 私は自分の前に置かれた茶碗の手前に両手をついて… 「お点前ちょうだい致します。」 と、声を掛け戴いた。 えっと、茶碗を右に90度だっけ? そんな事を考えながら、恐る恐る口にした。 ん?んん?? あれ?甘い?? 抹茶ってこんなに甘かった? 鼻を抹茶の香りが駆け抜けて行く。 後からコクと苦みが効いてくる。 やっぱり、抹茶だ。