ドキドキ、
そんな風な心臓を胸から飛び出ないように押さえ付けながら歩く。
はー・・・、
緊張する。
色んな意味で。
私は唇をキュッと結ぶ。
集中して、私。
これで、
本当に本当に最後。
皆と作るあの数分は、
本当に、最後。
このドレスも・・・、
きっと私達の一生の思い出になるだろうし。
そんな風に自分の気持ちを高めている内に舞台裏に到着した。
「出演者は出演順に並んでー。
人数確認しまーす。」
舞台裏で音響なりなんなりをこなす生徒達が呼び掛けた。
あ、
「旬、私何番?」
私は旬の肩を叩いて言った。
すると、
ニヤリと口角が上がる。
なにその企んだような表情。
「ラスト。」
艶めいた笑みで言った。
わ、本気で輝いている、その笑顔。
悪い意味でね。
「まじか・・・。」
絶対旬は裏の悪い手口を使ったんだろうな。
脅し・・・とか、旬ならやりそう。
交換条件なんかもしてそうだ。
旬への不信感が高まる。
「・・・なんだ、その目。」
旬は不機嫌に言った。
「いや・・・、別に?」
私はそう言って逃げた。
列の1番後ろに並ぶ。
そして点呼を終わらせて旬のもとに戻る。
旬は舞台裏の端の方の壁に背中を預けて座ってる。
モニターは見にくいけど人はいない。
「旬ー」
私も旬の隣で壁に背中をあずける。
しばらく何も喋らない。
私は集中する。
「1番!
すぐ始まります!」
「音は?音量なによ?」
「最初は最大でも大丈夫!」
「ライトは?」
「もう人ついてるからいつでもオッケーです!」
「じゃあいきますよ!
5秒前ー!」
・・・くるな。
私は瞼をゆるりとおとす。
・・・5、4・・・
・・・3、2・・・1・・・。
ワァァァアアッ!
私達の耳に、
そんな歓声が突き刺すように入ってきた。


