「・・・では1位の咲田さんから一言頂きたいと思います。」
トロフィーと賞状を貰い、
マイクを渡される。
トロフィーと賞状を脇に抱えてマイクを片手にしっかり持つ。
一言、一言・・・。
想定外だなぁ・・・。
「・・・すみません、頭が真っ白で言うことが思いつかないんですけど・・・」
ハハ、と私は苦笑いをしながら言った。
すると微笑んで聞いてくれる観客の皆様。
・・・何かなぁ・・・。
はぁー、ふー・・・。
私は少し下を向いて息を整えた。
よし、
私はそうやって顔を上げた。
「私が今、こうして成績上位の1位がとれたのも、
皆様の応援があったからです。
1年の頃から毎回の試験を見に来てくれている人もよく見えます。
本当に嬉しいです。
私は細々とですが、雑誌のモデルなどをやらせて頂いて、
この学校で学んだことがすごく役に立っています。
以前、ここで勉強してても将来に繋がるのかなぁと考えたことがありましたが、
実際、私はこの学校をきっかけに夢を掴みました。
・・・今は成績がよくなかったとしても、これから自分磨きに励んでいけば、
きっと夢を掴むことができると思います。
これからもお互い頑張りましょう、
本当にありがとうございました。」
私は深々と頭を下げた。
パチパチと段々大きくなる拍手。
今ので、よかったのだろうか。
口からバァー、と出た言葉を喋っただけだから何を言ったかあまり記憶にない。
「・・・以上でモデル科学年末試験を終了させて頂きます。
生徒は順に退場してください。」
そう顔を上げた時にアナウンスが入った。
私はまわれ右をする。
そして皆の列に続いて降りていく。
私は目一杯にトロフィーを抱きしめた。
これが最初で最後の私の証。
私が3年間頑張ってきたよって証。
私はダッシュで4人の方へ走った。
次はファッションショーだ。
試験の余韻に浸ってる場合じゃない。
私はヒールをカツカツと言わせながら走った。


