私は旬ママから人参切って、
と語尾にハートつきで言われたので、はい!
と笑顔で言って切りはじめる。
正直、あんまり料理はしないし、
リンゴの皮とか剥くのもブッツンブッツンに切れるし、
得意料理とかリゾットだし。
そのリゾットもフライパンにご飯いれてテキトーに塩コショウしてトマト缶流し込むだけだし。
恐る恐る包丁を手に取る。
「何切りですか?」
といっても私は輪切りか半月切りくらいしかできない・・・!
短冊切りは大きさ不揃いになっちゃうし、
いちょう切りは正しい切り方とかよくわかんないし。
「・・・んー、半月切りかいちょう切りでいいかな?」
よーし、半月切りにしよーっと。
私は早速切りはじめる。
料理ドヘタな子って思われたくないからすごい気を張り詰めて切った。
この人参はスープにいれるみたい。
人参切り終わったら皆呼んできて、
と指示された。
もう7時はとっくに過ぎてる。
アトリエを開けるとまだ皆は熟睡中。
「皆ー、7時過ぎてるよー。
学校遅れちゃうよー。
起きてー。」
一人一人身体を揺らす。
1番寝起きがいいのは要路。
私が大きい声を出したらもう起きてくれた。
おはよう・・・、なんてかなり眠そうに言ってたけど。
要路は洗面所を借りアトリエを出ていった。
次に起きたのは旬。
「・・・あれ、朝だ・・・。」
なんて完全に時間感覚を失っていた。
旬も無理矢理洗面所に送り出す。
私、オカン。
そして寝起きが悪そうな二人を一生懸命起こす。
「起きろー」
私はユッサユッサと郁斗の肩を揺らす。
数秒続けると、
「・・・んぁ・・・?」
なんてかなり可愛らしい声で目を覚ました。
「あれあれ・・・?
俺、寝起き初めて襲われたわ・・・」
「襲ってないから早く顔洗っといで。」
寝ぼけててもチャラ憎な郁斗の手を引っ張って立ち上がらせて無理矢理アトリエから突き出す。
修も郁斗の時同様に数秒すると目を開けた。
けどまた目を閉じた。
「二度寝禁止ー!」
私はパンパン手を耳元で叩く。
「うるせー・・・」
ボヤボヤとまた寝返りをうつ。
うわ、寝起き超悪いじゃんか。
私は目を細めた。
バシバシ叩いていたら眉間にシワを寄せながらも起きてくれた。
ふう、と一段落して旬ママがいるほうへ、
アトリエを出た。


