そして実感する。
ああ、ドキドキしてるの私だけなのか。
何か、むかつく。
私はこんなにドキドキしてるのに。
旬は冷静で。
私はムッとした。
すると腕が離れた。
ニコ、そんな風に微笑まれた。
「・・・充電完了」
旬はそう言ってポンと頭を叩いた。
その瞬間、私の心臓が大きく飛び跳ねた。
うう、その笑顔は反則ー・・・!
私は俯く。
顔が赤いのが、また指摘されないように。
「じゃあ、早く寝ろよ」
そんな風に言ったと思えば、
スタスタと去っていく足音が聞こえた。
私は顔を上げて旬の後ろ姿を見つめた。
「・・・頑張れ・・・」
そう、無意識に口から出た。
私にしか聞こえない声で言ったハズなのに。
・・・旬は右腕を上げた。
ドックン、
その動作に心臓が打ち抜かれた。
・・・聞こえたの?
こんな、私の微かな声が。
そんな、私、なんか・・・自惚れちゃうよ。
好き、好き。
溢れ出そうで、叫んでしまいそうになるのを必死に押さえた。
そしてケータイを取り出して旬の後ろ姿をカシャ。
私は唇を噛み締めながら、
家に入った。
______次の日
私はしっかりと睡眠をとって早起きした。
朝、6時半。
「いってきまーす」
私はパンプスに足をひっかけつつ言った。
「えぇ?美里出るの早くない?」
お母さんがキッチンからひょいと顔を出して言った。
「うん、ちょっとね!」
私はパンプスを履ききり、立ち上がる。
「今日見に行くからねー」
「うん、ありがとう」
私はそれに、いってきます、とまた加えて家を出た。
ヒュー、と風が吹く。
うう、3月になったからってまだまだ寒いなぁ・・・。
私はそう思いつつも一歩足を出す。
皆のところに早く行こう・・・!
私はそうして足を早めた。
15分程で到着し、
店の裏口をノック。
すると明るい旬ママの声が聞こえた。
「咲田です。おはようございます」
私がそう言うとパタパタとスリッパの音が聞こえた。
そしてガチャリと勢いよくドアが開いた。


