皆は口をポカンと顎が外れたみたいな顔をする。
けど、すぐにニヤリと口元が釣り上がる。
やることは、ただ一つ。
「よっし、やる気になってきたぁー!」
修が被ってた毛布を取り払って立ち上がる。
「・・・っし・・・やるぞ。」
静ながらも士気の高い雰囲気を醸し出す旬。
皆笑って作業を開始。
私はそんな姿を写真におさめつつ、
自分のつけるピアスを作り出す。
シルバーをバンバン叩いて、プレートのように広げる。
そしてゴールドっぽい色のストーンをデザインにそって貼付ける。
結構厳しい。集中力ないとズレる。
くあー、と目をパチパチ動かす。
9時近くになるとさすがに皆ヤバくなってきた。
旬は眉間にシワをよせだすし、
修はブツブツ何か言ってるし、
郁斗はぶっこわれて突然笑い出したりするし、
要路は足がガクガク震えてるし。
私にいたっては目が完全にかわいて毎秒毎秒瞬きしてるし。
「美里ー、そろそろ帰れー。」
修がブツブツ言う中にそう聞こえた。
「・・・あ、はい。」
私は素直に従う。
「俺が送る。」
眉間にシワを寄せた旬が立ち上がる。
私はコートをハンガーからとる。
旬も椅子にかけてあったジャケットを取る。
「行くぞ。」
そんな風に私達はアトリエを出た。
外に出て数秒歩くと、
突然に旬が私の手をとった。
それも力強く、
指を絡めて。
・・・ドキドキ・・・、
手を繋ぐのもかなり緊張しちゃう・・・。
旬の手があったかくて・・・心地いい。
冷たい真っ暗な夜の空気から切り取られたみたい・・・。
そういえば、二人きりになるの久しぶりだなー・・・。
私はそんなことを考えつつ、特に何もしゃべらず前に進んだ。
でも、その時間は心臓が崩壊間近な私にはすっごく早く感じて・・・。
ドキドキしてる、って嬉しいことで幸せなことで・・・。
やっぱりそんな時間だから・・・、早く進む。
いつの間にか私の家の前に着いていた。
・・・あー・・・、もう、着いちゃった。
まだ・・・少しでもこの手を離したくないけど。
私は旬を見上げた。
すると1秒後くらいに私を見下ろしてきた。
疲れてそうな表情なのに・・・、
街頭にあたってるからかもしれないんだけど・・・、
綺麗に見えて・・・。
私は生唾を飲み込んだ。


