・・・
沈黙が流れた。
皆、空いている席にどっぷり浸かってる。
皆は、何を考えてるの?
・・・私は今、過ごしている時間だけを考えていた。
先のことなんて、考えてなくて。
今楽しいばっかりだった。
時間が過ぎるのって、すっごく早い。
私は唇を噛み締めた。
痛いくらいに。
沈黙を破ったのは旬だった。
「・・・とりあえず今は明日の事に集中しろ。
軽食とって、ココアも飲んだらすぐ作業開始だ。」
そう言ってトレイのサンドイッチに手を伸ばす。
私も無心でココアを口にした。
・・・何にも、味がしないよ・・・。
どうも、旬の言葉でも気合いが入んない。
ダメだな、私。
私は一つため息をおとす。
暗いオーラがアトリエを充満する。
私はケータイを取り出した。
なんか、やることなくて。
そしてフォルダをテキトーに見る。
羽美と撮ったプリとかあって・・・。
変な笑い重視なのもあれば、
すっごい二人でキメてるのもある。
わー、何かこんなのも胸に染みるんだけど・・・。
そして私はふと指が動く。
パシャ、
無意識に近い状態で私はサンドイッチとココアを写していた。
皆その音に驚いてこっちをゆっくりと見た。
・・・ケータイの画面には飲みかけのココアとか。
あ・・・。
私は止まる。
ひらめいた、って程じゃないけどやりたいことはできた。
写真、撮ろう。
この学校を出てしまうまで、
毎日どーでもいいことだったものでも、
写真におさめよう。
「・・・写真撮ろうか。」
思い出になるように。
サイコーだったな、あの時って言えるように。
私は笑顔をつくる。
なるがままにカメラを構えて魂の抜けた皆の写真を撮る。
皆素っ頓狂な顔してすっごくマヌケ。
でも、これがきっといつか・・・。
私は一応自分も自撮りして。
それから今のネイルとかも撮って。
それで作りかけのドレスも撮って。
うわあ、なんだかたんすにモノを整理してるみたいで・・・。
何か落ち着く。
それでもっともっとたんすにしまいたい・・・!
「作業、やろうよ!」
私は笑顔で皆に促した。


