「俺、実は・・・、
美里の事が好きだったんだ。」
要路は落ち着きが保たれていない声で言った。
・・・私は固まった。
え・・・?いま何て・・・?
私は瞳孔を開き切る。
要路は視線を逸らしながらも続けた。
「だったじゃなくて・・・。
今も。
・・・ごめん、美里を困らせたかったわけじゃないんだ・・・。
ほんと、こんなこと言ったら混乱するよな?
俺はこの気持ちを口にだしたことはなかった。
美里が旬と付き合うことになって・・・。
諦めてこの気持ちは俺の中で消そうって思ったんだ。」
そう苦しそうな笑顔で俯く。
「けど、ダメだな」
少し顔を上げた。
「二人きりだと、
とまらないな、この気持ち。」
そして完全に顔を上げた。
バクン、私は心臓が何かに打たれたみたいに痛んだ。
要路の表情が、苦しいよって伝えてる。
私は唇を噛み締めることくらいしかできなかった。
「よかった、
この気持ちがなかったことにならなくて。
俺の体外に出せたことだけでもすごく嬉しい。
だから、忘れて?
なかったことにしていいから。」
要路は私の目に優しい眼差しを向けた。
私は今の状況が飲み込めなくて・・・
頭がグチャグチャだった。
要路が・・・私のことを好き?
う、そ・・・
そんな、んなわけが!
でも、冗談やめて!
なんて言える雰囲気じゃなかった。
要路の瞳が、嘘じゃないってわかる。
私は頷いた。
うん、そうだ。
要路の気持ちが、体内で消化されて・・・
恋する気持ちが最初からなかったなんて・・・されたくないよね。
私もそう思う。
例え結果が辛くても、
その好きな人と居られて、楽しかったりした時間は嘘じゃない。
だから、私も要路の気持ちが聞けて嬉しいよ。
「じゃあ、はやく帰ろうか。」
そんな風に要路はいつもの穏やかな笑顔を浮かべて歩き出す。
私も笑顔で返してその後を追った。


