そしてものの数分でバン、
と鉛筆をたたき付けるように置いた。
ビク、そんな音に肩を揺らす。
そして怖ず怖ずと旬が書き上げた紙を4人で覗き込む。
私達は息を呑んだ。
ゴクン、皆の喉が揺れる。
「すごい綺麗・・・!」
私は無意識に声が漏れた。
美の極みってこのことだ・・・!
肩を出して、胸元があいていて、
そしてロングな丈。
バックには大きなリボン。
その中心にはバラのような美しい花。
前には大した装飾はなく、レースのような波打った生地が横に広がる。
「・・・じゃあそれ作ろう。」
旬は満足そうな表情。
「とはなんねーよ!」
修が滑り込むように言った。
「ショーまで一ヶ月ないけど?」
郁斗も参戦して腕を組む。
「・・・いや、つくる。」
旬は睨むような目線で皆を見る。
「・・・旬、こればかりは難しい。」
要路も落ち着いた口調で旬に抗議する。
そして旬は少し下を向く。
「・・・じゃあ聞くけど、
そのオレンジのと、今書いたやつ、
どっちが美しい?」
・・・ピタリ、空気がとまった。
皆が俯いた。
皆・・・、同じ心だと思う。
今、書いたものの方が、
着てみたいと思うし、洗練されていて美しいと思う。
「・・・それは、
今のだけど・・・」
修はボソボソ言う。
「・・・うん、まぁ、そーだな」
郁斗も小さな声で頷く。
要路も無言のまま頷いた。
「なら、よりよいものを創作すんのがアーティストっつーか、
なんつーか、俺らのすることだろ。
美里を輝かせて、サイコーのモノをつくる。
これ、作ろう。」
旬は真剣な、食いつくような瞳で皆に訴えかける。
・・・私も同感。
けど、私が頷いていいの?
私は大した手伝いもできない。
私は皆を見る。
すると皆私を見ていた。
・・・え?
私は少し後ろに退いた。
視線に押されたみたいに。
「・・・美里は、どっちが着たい?」
修が首をコテンと傾げた。


