何度出て行ったって、
何度ポーズをきめたって、
何度歓声を浴びたって、
・・・楽しすぎる!
もう、とめられない。
この仕事が好きだ・・・!そんな気持ちが。
「デザイナーコールかかってます!
出て下さい!」
慌ただしくしていた舞台裏。
ショーが終わってもそれは変わらないけど・・・。
拍手がとまらない。
私は震える手を押さえ付けながらモニターを見ていた。
デザイナーの皆さんが礼をし、拍手にこたえている。
私はヨロヨロと椅子に座り込んだ。
他のモデルも楽屋には行かず、ここで意識をとばしていた。
なんだか、浮遊感・・・。
この感覚が、何だか臓器をくすぐる。
しばらくして社員の皆さんが戻ってきた。
「お疲れ様ー!
最高でした!」
影山さんがモデルの皆に抱き着く。
「ありがとうございます・・・!」
私は出るだけの声を出して答えた。
ああ、やばいな。
何か感動する・・・。
涙腺が緩みそうになったけどなんとか目頭を押さえた。
私達モデルが楽屋でメイクを落としたり、
服を着替えて舞台裏に行くともうずいぶんと片付けが終わっていた。
打ち上げしよーか、
なんて言ってデリバリーで色々頼んで舞台裏で盛り上がった。
______
翌日、ショーのことを朝のニュースで取り上げられていた。
私の映像に咲田美里(18)なんていう名前が出て少し怯んでしまった。
「・・・ふあ・・・」
私は大口あげてあくびをした。
「今や人気モデルとは思えない姿ね。」
お母さんが私のグラスにオレンジジュースを注ぎながら言う。
あ、ありがと、なんて軽く返す。
けど。
まだ人気なんかじゃない。
「・・・まだまだだよ。
私なんて。」
私はそう言ってトーストをかじる。
まだ、私は未熟で、何も知らない。
これからもまだ、この仕事をやりたい。
知りたい、習得させたい。
だから、まだまだなんだ。


