「あー、彩夏ー。ありがと!」
「仕事だからあたりまえよ。」
サラリ、綺麗な髪が靡いた。
わー、美しい。
その言葉に尽きる。
「あ、あなたは・・・、
咲田美里さん・・・かしら?」
私に気づいたのか、
私の瞳を見つめて口を開いた。
「はい、お願いします」
私はペコリと頭を下げた。
「あ、美里ちゃん、
こちらは私の友達であり、ショーの映像担当の彩夏。」
影山さんはそう紹介した。
私は頷く。
「そういえば今日は将さんはまだ来ていないのかしら?」
彩夏さんは影山さんに問う。
ショウさん・・・?誰だ?
私は影山さんに視線を移す。
その瞬間に私はわかった。
影山さんの彼氏さんだ。
名前が出ただけなのに、顔が赤い。
「ううん、すぐ来るって。
総さんは?」
ソウ?今度は彩夏さんの彼氏さんかな?
私は彩夏さんの顔を見た。
すると彩夏さんの表情は影山さんと裏腹に歪んでいた。
「来ないわよ!」
「また喧嘩?」
「あっちが悪いんだから。
今度こそ別れてやりたい。」
「あらあら、前はあんなに仲良かったのに・・・」
「だって上司と連絡していただけなのに疑うのよ!?
もう知らない!」
プンプン、と言うような顔。
マジおこです。
大変そうだな、大人は。
私は遠い目で見ていた。
すると、その拍子にステキな男性が遠くに見えた。
キョロキョロと辺りを見回している。
あれは、もしや。
私の予感は的中。
向こうの男性がこちらを見ると、
ハッとしたように駆け足で近づいてきた。
「樹菜・・・!」
そんな呼びかけとともに。
「・・・っ、将さっ・・・!」
隣を見れば、影山さんはすごく可愛い笑顔が浮かび上がっていた。
そして男性は近寄ってきて影山さんの前に立つ。
「大丈夫?疲れてない?」
「うん、大丈夫です・・・。」
「そっか、無理しないように・・・ね?」
男性は影山さんの顔を覗き込む。
優しそうな人。
行動がもう優しさが滲み出てる。
すると彩夏さんが教えてくれた。
「栗山将さんよ、彼は。」
小声で言われたので私もうんうん頷く。


