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 八月のお盆休みが近付いても、警察は年中無休なので、刑事は仕事が続く。


 俺もその一人だった。


 ずっと組対部に詰めながら、暇があればパソコンを使って国内外に特殊ルート経由で流された物品等のチェックを行なう。


 警視庁組対部にとって東京湾が要だ。


 停泊している船には常に積荷がある。


 それを調べ上げて、決定的な瞬間がやってきたら、ブツを残らず押収するのが仕事だった。


 そのためにずっとアンテナを張り続けている。


 何が起こるのか分からない状態のまま、ずっと。


 五課長の倉田が立ち上がり、コーヒーの入ったカップを持って、俺のデスクへと来、


「安藤、大口検事への取調べは進んでるみたいだぞ」


 と言った。