心臓が跳び跳ねるって、 こういうことをいうんだ。 まるで皮膚を突き破って 出て来そうだ。 右腕を掴まれた私は 身動きできずにその場に立ちすくむ。 「……ずっと、2人きりで話がしたかったんだよ」 低く頭に響くその声に 私は聞き覚えがあった。 怖いもの見たさとでも言うのかな。 私はゆっくりと背後の影を見上げる。 彼は、蛇のように鋭い2つの瞳で 私を見据えていた。 さっきの優しそうな人とは 思えない。