「で、どうしたんだ?」



部屋に着くと、オレはさっそく藤条に尋ねていた。




『…別に…ちょっと、バスに酔っただけだ…』




未だに顔色がすぐれない藤条。




「…じゃあ、何でこの前、合宿の話したときにあんな表情してたんだよ…」





『…』




オレの問いに藤条は、押し黙った。




「…まぁ、お前が話したくないなら言わなくてもいいけど…少し休んどけよ?具合悪そうだから。そんな体調でオリエンテーション出来ないだろうしさ」





一向に何も話そうとしない藤条にオレは、そう言った。



『…悪いな…松田…俺…』



ボソボソと話す藤条。





「いいって。話したくなったら話せよ?」



藤条にそう伝え、オレは、部屋を後にした。