校長の話、理事長の話…いい加減長すぎ…。




オレは、欠伸をこらえるのに精一杯だった。




『…続きまして、新入生代表の挨拶 新入生代表 中島英介。』




『はい。』




凛とした声が響いた。



すると、オレの斜め前、つまり藤条の隣に座っていた男が立ち上がる。



…コイツが学年トップね…。



中島は、身長、三田村より少し小さいぐらいだろうか?黒髪でいかにも優等生ってタイプだ。





『…春のあたたかな日差しにつつまれ、桜が満開をむかえた今日…。〜』




おきまりのフレーズではじまる新入生代表の挨拶。




正直、つまんない。



もっと、面白みのあること言えよな〜。



オレは、そう思って壇上の上で挨拶を読む中島を見た。



ん?なんか…。




少し違和感を感じたオレ。


…アイツ、何も持ってない??



普通、挨拶や答辞などは、あまりにも長いので前から用意してある紙などを見ながら読むものだ。




しかし、中島の場合、何も持ってない…?




もしかして、全て暗記してんのか…。



オレは、唖然としなが、壇上で淡々と挨拶を続ける中島を見つめた。




…おもしろいやつ。また見っけ…。




オレは、ニヤリと笑った。