*そして、過去から現在へ


―――――…


オレは、何かふっきれたような顔をした藤条を見ていた。




鈴木とも和解したみたいだし…本当によかったと思う。




そんなことを考えていると、



オレの視線に気付いた藤条がオレのほうを見た。



そして、




『今回は、松田のおかげだと思う…ありがとな…』



あの藤条が頭まで下げて礼を言った。




…今日は、雪かな…






「っ!オレは、なんもしてないから!!藤条が自分で乗り越えたんだろ?まぁ、お前に何があったかはしらんけどさ、話したくなったら話せよ?」




『あぁ、ありがとな…』




…訂正します…今日の天気は、雪ときどき、みぞれ。場合によっては一時、嵐になるでしょう…。



素直な藤条に対してこんな失礼なことを考えていると、




バタバタ、バタバタ。



廊下を走る足音が聞こえてきた。