「お兄チャン!?」
健太は開いたドアに気付き
慌ててベッドから飛び降りて
ドアの前に駆け寄ろうとするが
あたしを見て立ち止まる..
「…何だ、萌かぁ」
『あたしで悪かったな!…なぁ健太、結城は?』
「知らない。ベッドごとどっか行ったから病室移ったんじゃない?」
『は?』
病室移ったって一言も言わず?
ふざけんじゃねえぞ
黙って病室移るなんて
あたしはナースステーションへ行き
看護婦に結城の事を聞く。
「ああ、結城サンなら昨日の夜、個室に移られたみたいで…」
『個室に?』
「あなた確か…いつもお見舞いに来てる子よね?」
『そうですけど…』
「…昨日妹サンの事があったでしょ?退院まで誰とも会いたくないんですって。ほら、結城サンって両親居ないでしょ?親戚は居ても実の家族って妹サンだけだから…妹サンが亡くなって相当まいってるみたいよ」
結城の両親って居なかったのか
知らなかった
『そう言えば妹サンは…どうなったんですか?』
「今日お通夜ですって。朝方、妹サンの旦那様が来られたわ…可哀想にね、まだ若いのに、階段から足を滑らせて即死だなんて…」
『……。』


