ライチがその時に言った。
「あっ、凜子が取ってないんじゃねぇの? おい、凜子――……」
皆その言葉に固まった。
触れてほしくなかった……。
凜子が今この部屋に居ないという現実が、私たちに突きつけられる。
ライチの馬鹿。
ついでに蓮斗の大馬鹿者。
「……正直、ちょー寂しいかも」
私は思わず本音を呟いた。
リンゴを見て、馬鹿なあの笑顔を思い出してしまう自分が憎い。
土足でドカドカと最初は入ってきて。
いつの間にか凜子が、私の心の中に巣を作っていた。
今は居なくちゃ寂しい存在だなんて……馬鹿げてる。
ホント、人生色んなことがある……と、しみじみ思う。

