なんだかそんな父親を可哀相になりながらも
父親が出す答えに緊張を高まらせていた時…



「…わかった。


付き合いは…まぁ…

そこまで想いあってるなら認める」



その言葉に諒子の表情を明るくなって…



でも




「だけど、母さんと離婚はしない。


それに…

要が就職するまで後3年はある。


それまで涼子ちゃんと要が続くとも限らないしな。


おまえは色々と神経質すぎる。

諒子ちゃんだって前そう言ってたし。


振られる可能性だって十分あるからな」



うんうん、と1人で頷きながら言う父親に
要がピクっと眉間にシワを寄せた。



「…続くに決まってんだろうが。

父さんこそ、母さんに愛想つかされるかもしれないけどな。


母さんが、

父さんは酒飲むたびに甘えてきて鳥肌が立つって言ってたし。

靴下の脱ぎ方も気に入らないって言ってた」



「そ、そんな訳…

だったら要こそ……」





冷静な要と

慌てふためく父親の言い争いはそのまま続いて…



結局、母親が帰ってくるまでどちらも引くことはなかった。




でも

イヤミを言い合う2人は
仲のいい家族で…



憧れていた家族の光景で…


大好きな家族で…




諒子が穏やかに笑みをこぼす。





新しい問題が勃発した内田家に

賑やかな声が響き渡っていた。






Fin…



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