要の言葉が…
この先にある言葉が…
自分の欲しかった答えであるような気がして…
信じられない思いで諒子が唇を噛み締めた時
要が諒子の体を離した。
諒子が顔を上げると
真剣な顔をした要がいて…
目が逸らせなかった。
「諒子…
もし気持ちに迷いがあるなら…
全部なかった事にしよう。
明日からはまた普通の家族として過ごすよ。
でも…
諒子の…
オレが好きだって気持ちに迷いがないなら…」
「ないよ…
迷いなんて、ない…」
涙を浮かべながら言った諒子の言葉に…
要が困ったように笑った。
家族が、気まずくなるのは嫌。
バラバラになるのは、嫌。
だけど…
要くんが好き…
今のあたしに
その気持ちに勝るものなんて、ない―――…
「あー…
もういっか…」
そうもらした要の手が諒子の頬に触れて涙を拭う。
そして…
「オレも好きだよ…」
諒子の望んでいた言葉と同時に
要の唇が諒子の唇に降ってきた。
触れるだけのキスなのに
信じられないくらい心臓が早まって…
緊張している様子の諒子を要が笑う。
「父さん達にはオレから言うから…
だから諒子は何も心配しなくていいから」
一瞬、父親達の事が頭に浮かんで不安になりながらも
優しく笑いかける要に胸がきゅんとして
諒子が要に抱きつく。
「好き…
大好き…」
抱き締め返してくれる要に
溢れる気持ちが止まらなかった。
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