【短編】甘い秘密




「…かっこ悪いよ。

普通殴り倒してくれるもんでしょ?」



「手、離して…

兄妹なのに…


こんなのおかしい…


あたしの事妹としか思ってないなら離してよ…



ばか…

ばかばかばか…」




諒子がどんなに文句を並べても要は一言も話さずに…

手を離さずにただ家までの道を歩いた。




その背中に…

諒子の胸が小さく高鳴る。



期待なんかしてないのに…

どうしてもドキドキする胸は止められない。






『あたしの事妹としか思ってないなら離してよ』


その答えが

繋がれた手に隠されてるとは思えなかった。




要の態度は

どうしても兄として心配してるようにしか見えなかったから。




そんな要の事務的な行動に悔しくなりながらも

繋がれた手を解くことなんてできなくて…





触れた体温から


気持ちがどんどん溢れてきて…





要が好きで好きで…



ただそれだけで…







諒子の頭を

心を…



その気持ちだけが支配した。








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