頭がぼーっとして…
大人しく要が絆創膏を貼るのを待つ。
指先が…
ドクンドクンと早くなった心拍数を響かせていた。
「…夕飯、後はオレが作るからおまえは休んでろ」
そう言って要が諒子の頭をポンと撫でて寝室を出て行っても…
諒子は動く事が出来なかった。
やけに胸が高鳴っていて…
やけに顔が熱くて…
やけに要が男に見えて…
カッコよく見えて…
どうしょうもなく苦しくなった。
「うまいっ」
父親の絶賛した要の作った豚汁の味は…
よくわからなかった。
わかったのは…
まるで初恋のように淡い…
苦しい…
胸のドキドキ…
諒子が要を意識した瞬間だった。
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