桜花舞うとき、きみを想う



こうして、別れのときは、あっけなくやって来た。



「桜花隊か。中園、しっかりやって来いよ」

「抜擢だな。次こそは俺もお前のところへ行くから、待っててくれよ」

名前も知らない兵士たちが、掲示板の前で、次々とぼくに声を掛けてきた。

ぼくは、そのどれにも返事をしなかった。

(桜花……)

山里くんが言った通り、ぼくは飛行訓練時間が極端に短いため、零戦や一式陸攻の操縦は任せられないと判断されたのだ。

水面飛行なんてできなくとも、ただ噴射ボタンが押すことができればそれで済む特攻機に乗せるのなら、筋がいいとか悪いとか、そんなの関係ないじゃないか。



掲示板の自分の名前を見つめながら、ぼくは、絶対に戦果を挙げると誓った。

腹を決めたわけではない。

どんなに足掻いても運命は決まったのなら、ぼくはそれに従うまでだ。