いっぱい大会が控えてる夏に向けて、
陸部にも気合いが入ってくる。


自分の種目練習に対する熱気と、夏ならではの気温の熱気が、グラウンドには溢れてる。



いつものように高跳びの練習をしていた私は、顧問の先生に呼ばれた。



私、何かしたっけ…?


そんなことを考えながら近寄ると、



「夏野、お前砲丸投げやってみろ」


『…はっ!?』



何の冗談??


びっくりしすぎて思わず素で叫んでしまい慌てて聞き直す。



『それって、
高跳びやめろってことですか…?』



最近高跳びの記録も伸びてきてるし、しかもなんでよりによって私には絶対できなさそうな砲丸投げ…?


頭の中がパニくってる私に、先生は笑いながら手を振って言った。



「高跳びをやめろって言ってるんじゃなくて、砲丸投げも、やってみないかって話なんだ」



も、を強調されて言われても、どういうことかわからない。