やる気満々の野槌が雄叫びをあげ、唾液を撒き散らす。舌を出したまま、開け放たれた口は掘削機のように見えた。 鉄をも噛み砕こう刃が目前に。 「冬月、逃げぃっ」 兄の声を後ろに。 「――」 全神経を刃先に集中した冬月が足を踏み出し、そうして。