風はそれをしっかりと受け取って、遠くへ往った私の友人のもとへと届けてくれるだろう。 ようやく二人一緒になれたんだ。どこへいっても二人なら、うまくやれるよ。 「─!」 1枚の羽根はひらりひらりと空へ登って、見えなくなる少し前ふたつの重なる笑い声が聞えた。 涙はもう流さない。 「さよなら」 二人身を寄せ合う姿が、瞼の奥に見えた気がした。