「ゆっくりでいい。ゆっくり、受け入れていけばいいから」 小さな子供をあやす様に、ポンポンと叩かれる背中。 「私は妖怪が見えないけど・・・あなたの味方だからね」 妖怪は、人間にとって悪いもの。 だから、私が─祓わなきゃ。 「お母さん、私…やってみたい」 妖怪から人を助けたい。 自分にやれることを精一杯。 きっと、桜子さんは妖怪に襲われて亡くなったんだ。違いない。 許さない。妖怪なんか、大嫌い。 私は巻物をぎゅっと握り締めた。