けれど、いくら待っても痛みはやって来なかった。 代わりに、聞えるのは。 「ぐっ、おのれ・・・」 牛面のうめき声。 牛の顔に刺さった、刀。 「…!どうして─」 ミルクティー色の髪が、風に靡(なび)く。 「神崎君・・・!?」 紛れもない彼の姿だった。